消えてしまった想い出の店~觀塘のチャイナドレス
2010年 09月 24日
隙間なく貼られる数々の広告
物件の広告から、お店の広告・・・・目に飛び込む電話番号の数字たち・・・
香港ならではの光景かもしれない、これらの広告
だいたいは閉店された後のシャッターに貼られたり、ビルの壁に貼られたり・・・
重建計画のある觀塘で見たこの店舗の跡地
思わずそのシャッターの前で立ち止まってしまいました。
ここは・・・私が結婚式に着るチャイナドレスを誂えたお店
“え~こんなお店で仕立てるの?”
と初めて来店したときは、店の入り口に飾られる洋服の感じを見てそう思ったものでした。
地元にあるような、年配のお客さんが来るようなそんな小さな仕立て屋さん。
店に置かれる布地はどれも派手な色や、きらびやかすぎる模様ばかり・・・・
なんとなく不安を覚えながらも、店のご主人から渡された生地のサンプルから1枚を選び
Aラインのチャイナドレスを作りたいそのイメージを伝えたのでした。
採寸に仮縫い・・・・何度か足を運び、式の2ヶ月前に渡されたそのドレスは
私が作りたい、頭の中で想像したとおりの美しい仕上がり。
世界でたった1枚の、一生で1回の私の晴れ着がここ觀塘で生まれたのです。
そのご主人の腕を信用し、その後妹の結婚式に着るドレスもここで誂えました
それ以来・・・お店には足を運んでいません。
でも前を通れば何気なく目にしていた間口の小さいこのお店・・・・
“こんなに小さいお店だったっけな・・・・”
私の脳裏に残るそのお店より、もっともっと小さく感じるこの1枚のシャッター
階段を3段ほどあがって、お店の左側にご主人が座る椅子と、ミシン台があったっけ
右側にはたくさんの布地が置かれた棚があったっけ・・・
スピードの速い香港
家賃の高い香港
昨日まであった店が閉店してることなんて、日常にあるごく普通のこと
でも、自分の思い出の店がなくなるって・・・不思議と1度も疑ったことはありませんでした。
“そっか・・・・・・・・・・・消えちゃったんだ”
なくなったというよりは、消えてしまったこのお店
“あんな小さなお店・・・・なくなっても不思議ではないよ”
空気に湿度を感じ始める春の觀塘で、
家族とともにここを訪れ、私は店の椅子に腰掛けてぼんやり外の景色を眺めていました。
義母とご主人が早い早い広東語で話すその中で
康寧道を通るミニバスやタクシーを・・・・・不安だけどなんだか幸せな気持ちで見ていました。
もうあの角度からの景色は見れないけれど
もうあの椅子には座れないけれど
3枚目のドレスは誂えないけれど
ここは私にとって一生忘れない大切なお店です。
店の名前も、何も残っていないけど
いつか高い高いビルで面影もなくなるけれど
私の心にはいつまでも残る
世界でたった1軒の大切なお店
あの春の日にここに来てよかった
ここで誂えて本当によかった
誰も足を止めないこのシャッターの前で
あのドレスを着た同じ9月の觀塘で
私は初めて心から寂しさを感じました・・・・
想い出の香りが消える寂しさを
ポチッと応援なでなでしてください
看板娘です
物件の広告から、お店の広告・・・・目に飛び込む電話番号の数字たち・・・
香港ならではの光景かもしれない、これらの広告
だいたいは閉店された後のシャッターに貼られたり、ビルの壁に貼られたり・・・
重建計画のある觀塘で見たこの店舗の跡地
思わずそのシャッターの前で立ち止まってしまいました。
ここは・・・私が結婚式に着るチャイナドレスを誂えたお店
“え~こんなお店で仕立てるの?”
と初めて来店したときは、店の入り口に飾られる洋服の感じを見てそう思ったものでした。
地元にあるような、年配のお客さんが来るようなそんな小さな仕立て屋さん。
店に置かれる布地はどれも派手な色や、きらびやかすぎる模様ばかり・・・・
なんとなく不安を覚えながらも、店のご主人から渡された生地のサンプルから1枚を選び
Aラインのチャイナドレスを作りたいそのイメージを伝えたのでした。
採寸に仮縫い・・・・何度か足を運び、式の2ヶ月前に渡されたそのドレスは
私が作りたい、頭の中で想像したとおりの美しい仕上がり。
世界でたった1枚の、一生で1回の私の晴れ着がここ觀塘で生まれたのです。
そのご主人の腕を信用し、その後妹の結婚式に着るドレスもここで誂えました
それ以来・・・お店には足を運んでいません。
でも前を通れば何気なく目にしていた間口の小さいこのお店・・・・
“こんなに小さいお店だったっけな・・・・”
私の脳裏に残るそのお店より、もっともっと小さく感じるこの1枚のシャッター
階段を3段ほどあがって、お店の左側にご主人が座る椅子と、ミシン台があったっけ
右側にはたくさんの布地が置かれた棚があったっけ・・・
スピードの速い香港
家賃の高い香港
昨日まであった店が閉店してることなんて、日常にあるごく普通のこと
でも、自分の思い出の店がなくなるって・・・不思議と1度も疑ったことはありませんでした。
“そっか・・・・・・・・・・・消えちゃったんだ”
なくなったというよりは、消えてしまったこのお店
“あんな小さなお店・・・・なくなっても不思議ではないよ”
空気に湿度を感じ始める春の觀塘で、
家族とともにここを訪れ、私は店の椅子に腰掛けてぼんやり外の景色を眺めていました。
義母とご主人が早い早い広東語で話すその中で
康寧道を通るミニバスやタクシーを・・・・・不安だけどなんだか幸せな気持ちで見ていました。
もうあの角度からの景色は見れないけれど
もうあの椅子には座れないけれど
3枚目のドレスは誂えないけれど
ここは私にとって一生忘れない大切なお店です。
店の名前も、何も残っていないけど
いつか高い高いビルで面影もなくなるけれど
私の心にはいつまでも残る
世界でたった1軒の大切なお店
あの春の日にここに来てよかった
ここで誂えて本当によかった
誰も足を止めないこのシャッターの前で
あのドレスを着た同じ9月の觀塘で
私は初めて心から寂しさを感じました・・・・
想い出の香りが消える寂しさを
ポチッと応援なでなでしてください
看板娘です
by mangonaoko
| 2010-09-24 00:03
| 香港だより