人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko

空っぽになった1967年の香港~牛頭角下邨

“僕の子供の頃の香港を見せてあげる”

そう言って主人が私をその場所に連れて行ってくれたのは
結婚が決まった頃の、ちょうど旧正月前の冬の日でした・・・・

香港のことをさほど知らなかった私は、当時その場所がどんな場所か分からず
ただ主人に手をひかれるままにバスを降りて、見上げたのでした。
空っぽになった1967年の香港~牛頭角下邨_a0132659_22465088.jpg

“古い建物だなぁ・・・”

と思いながらその建物のすぐ下にある小さな店舗脇の道を歩くと
ひしめきあうように、肩を寄せ合うように立ち並ぶ小さな小さな店には
あまり触れたことのないような、私の知らない香港の世界が広がっているようでした。

暗黙の指定席があるような小さい茶餐廳
旧正月の飾りで店内が見えないような雑貨屋さん
香ばしい匂いが充満している小吃の店
古いのか新しいのか、色々な衣料品がかかる日用品売り場
空っぽになった1967年の香港~牛頭角下邨_a0132659_2247298.jpg

“見るのは楽しいけれど、1歩踏み込むには勇気がいる”
そう感じたのは、その建物の古さのせいなのか・・・
それともそこに生きる人たちの深い深い見えぬ絆のせいなのか・・・

牛頭角下邨

当時すでに上邨は姿を消していて、この下邨の取り壊しを控えていた数年前
1967年に建てられたこの団地は
部屋もとても狭く、現在実際に生活をするのには手狭すぎるとも言います。

“僕の子供の頃は、香港はみんなこんな風だったんだ”

その下邨の中を歩いている私には、
主人の昔の香港が、自分の知らぬ時代の香港が・・・ただただ新鮮で衝撃的でした。

空っぽになった1967年の香港~牛頭角下邨_a0132659_22465258.jpg


人がいなくなり
店舗がなくなり
人気がまったくなくなったこの下邨

私はこうやって変わり行く姿を見つめ
写真や映像で在りし日の姿をひとつひとつ確認するのみ・・・

そんな中見た下邨のこの映像と写真
建物や人の“その頃”の姿を垣間見れるだけでなく
あらためて感じました。
映像や写真って、写し手の“想い”をちゃんと織り込むものなのだと。



“私もこんな作品残せたらいいなぁ・・・”

技術も大切だけど、やっぱり心が通うことが一番見るものに感動を伝えるもの
この人は何を想いながらこの作品を作ったのだろう・・・

牛頭角下邨

あの旧正月前の姿・・・・今でも鮮明に覚えています。
私も丁寧に紡いでおこう・・・・私の知る香港を
誰かの心に温かいものを燈せるように・・・・

ポチッと応援なでなでしてください 
にほんブログ村 海外生活ブログ 香港情報へ

看板娘です人気ブログランキングへ
香港生活情報
by mangonaoko | 2010-09-26 00:26 | 香港文化