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鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko

懐かしくなるのは日常のあの味~早餐店の漢堡

NY発のジューシーなハンバーガーとか
パリで人気のチョコレートとか
ミラノで有名なパスタやピザ・・・・

都市部ではどこの国の料理も気軽に美味しく楽しめる、便利な世の中になりました。
もちろん現地に行くのが一番いいのだけれど
それでも行かずにして本場の味が楽しめるのは嬉しいところ。

台湾の有名な小龍包も、上海の美味しい麺も
香港でだって十分楽しめることができます。
でも・・・・・世界に進出するほどでもない、でも現地で親しまれるものはやはりそこでしか味わえない。

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“朝ごはんのハンバーガーは本当に美味しい・・・・昔はよく食べたんだよね”

早餐店

そう呼ばれる朝ごはん専門の、早朝~お昼くらいまで営業しているお店
朝ご飯を家で食べるより、外で買うことの多い台湾ではこのような店が数多く存在します。

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無駄に時間を使わないよう、帰国前日の朝に下調べとして探しに出かけました。

“あ、ここにもある・・・・・それからあそこにもある”
と目につく早餐店を確認する私に、母がこう尋ねてきました
“どうして朝ご飯の店があるって分かるの??”
“見て・・・・漢堡って書いてるのが見えるでしょう?ハンバーガーって意味なの
あれがある店はだいたいが早餐店だからね”
“へぇ~~あれでハンバーガー?中国語って面白いわねぇ”


漢堡 漢堡・・・・・プチ中国語講座ではないけれど、母にとっては新鮮なこの響き。

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平日の朝
店には出勤前に食べる女性の姿や、スクーターで買いに来る男性などひっきりなしの様子です。
何種類もあるメニューを眺める私に、調理する手を動かしながらお姐さんが聞いてきました。

“何にしますか?”

主人が一番好きだったチキンのハンバーガーのセットを1つ、飲み物はミルクティーで
それから・・・・・もう1種類のハンバーガーを単品で注文しました。

“あ、お姐さん!単品のほうが持ち帰りでね!”

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もし主人がここに座っているのであれば、一緒に注文したチキンのハンバーガー
追加でチーズをのせて、熱々をハフハフいいながら食べたことでしょう。

飛行機に乗る関係で具材を選ぶ必要があるけれど
食べるころには冷たくなって、きっと形も潰れてしまうだろうけど
香港でも東京でも決して食べられない台北のハンバーガー
さほど変わらないけど、空港に行くギリギリに買う最後のお土産です。

そう、外国では食べられないその場所だけのものが・・・・実は一番恋しくなる味なのかもしれません。

香港のパン屋で買う焼きたてのパンとか
街角にあるジューススタンドで飲むココナッツジュースとか
東京のガード下で食べる熱々の焼き鳥とか
何気ないけど美味しい、炊き立てのご飯で握るおむすびとか

もし今いる場所を離れることになったら
一番懐かしく恋しくなる味は、レストランでは味わえないそんな素朴な日常の味なんでしょうね。

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潰れないよう、子猫を抱きかかえるように持ち帰った台湾ハンバーガー


“ねぇ見てみて、このお店で買ったのよ・・・ほらスクーターの見えるこの場所でね”


ビニール袋の中には少し台北のあの空気がつまっていたかしら
潰れたハンバーガーは、レンジで温めてももとには戻らなかったけど
主人の思い出は少しでも温かくふくらんだでしょうか。
そんな気持ちになる懐かしい日常の味・・・・・味わえるうちは気づきもしないのだけど。


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by mangonaoko | 2011-12-10 10:18 | 旅行