福建省の茶葉がもたらした緣分
2012年 02月 29日
外国で買い物をするとき、チェーン店で買うほうがいいか
個人の小さな店で買うがいいか・・・・その判断は人によって違いますよね。
国や地方にもよるだろうけど、中国の場合もちょっと迷うところだったりします。
チェーン店のほうが安全(な気がする)だけど、なんだかつまらない気もするし・・・・
お茶の産地である福建省に位置する街、アモイ
ちなみに中国名は廈門(xia men)
アモイというのは現地の言葉:閩南語の発音から来ているんですって。
最初にこの名を聞いたポルトガル人が自分の耳できいたまま訳して、それが世界的な名になったとか。
地名とか動物の名前とか、こういう由来でついたもの多いですよね。
その廈門という場所は、私が密かに行きたいと思い続けた場所。
大きくないのに実現するのに何年もかかった小さな目標
お茶の産地で買い求める茶葉も、この旅の楽しみのひとつでした。
直前まで忙しくほとんど何も調べずに降り立った廈門の街、どこに何があるかも見当もつかず。
ネットで思いのほか情報が得られなかったこともあるけれど、お茶屋さんの情報も何もないまま
到着日の夜に「いきあたりばったり」で茶葉を買いに街に出ることにしました。
繁華街に出て最初に飛び込んできたのは・・・・中国茶の大手チェーン店。
最初に入るのがここというのもなんだかつまらない気がしつつ、でもとりあえず入ってみることに。
店内に入ると大紅袍の試飲を薦めながら、若い店員さんが話しかけてきました。
「自分でちょっと見てみます」と軽く交わすものの、やっぱりあれやこれやと始まる説明・・・
どこのお店にも言えることだけど、これが時には煩わしく感じ、尻込みする要因になったりして。
買いたいと思っている鐵觀音茶を眺めているとき、彼女がこう尋ねてきました。
“台湾からいらしたんですか?”
海を挟んで台湾と近い廈門、地元の言葉閩南語と台湾の方言台湾語は実は同じ言葉なので
ここ廈門の人の中国語はどことなく台湾と似た感じ。
台湾人のような廈門の女の子にそういわれるのも変な気がするけど、日本人であることを伝えると
“えぇ??”
さっきまでの接客モードがなくなり、完全「素」でびっくりしている様子がなんとも可愛らしい。
台湾に近い中国語を話す日本人と香港人が面白いのか、キャッキャと嬉しそうなご様子です。
“鐵觀音淹れるから飲んでいって、飲んでいって♪”
60%素になっている店員さんに薦められ、「ま いっか」と主人と2人ご馳走になることにしました。
中国茶の専門家でもないので、お茶の良し悪しの判断は難しい。
高くて美味しいお茶を試飲させて、売るのは安いお茶・・・という店も残念ながら存在するとか。
値段だけで判断もつかない奥の深い中国茶、一番は買いたいお茶と同じものを飲んでみること
自分が美味しいと思えば、とりあえずは後悔がないですものね。
あいにく気温が下がっている週末の廈門
店内といえどオープンカフェのような場所、でも廈門の商店街を眺めながらの茶館に変身です。
まだ23歳という彼女、でも中国茶の学校で3年間勉強したとか。
鐵觀音を飲みながら、まるで店員とお客ということを忘れるかのようなお喋り。
いろいろなことに挑戦したいから、来月に転職をすること
1週間に1度しかない休みで、お給料は1000元ほど(約12000円)だけということ
家でも珈琲じゃなく中国茶ばかり飲んでいることや、生まれは廈門の隣の漳州だということ
“ね、QQやってる??”
何を聞かれたのかと思ったら、中国内で人気のFacebookのようなもの
さすが23歳・・・やってないと答えたら“な~~んだ”と肩を落としていました。
友人が来月日本に行くから、お土産に頼める高くないけど価値があるような品物って何かとか
日本人と香港人が結婚するのって、いったいどうやって知り合うのとか
そんな女の子としてのお喋りをしているうちに、気づけばもう2-3種類のお茶を飲み
お茶菓子もおかわりまでいただいていました。
“ねぇ・・・鉄壷で沸かす普洱茶飲んだことある?しかも紅棗(ナツメ)入れるのよ”
日本の南部鉄器はここ中国でも高いらしく、でもそれが一番美味しくできるとか
想像したら興味もあるしたしかに美味しそう・・・でも優雅すぎてなかなか出来なそうですよね。
“淹れてあげる!ちょっと待ってて、準備してくるから”
すでに滞在2時間近く、しかも何種類もいただいているのでさすがにこれは申し訳ない。
淹れてもらっても普洱茶も鉄壷も買わないことをはっきり伝えると
“いいの、いいの、飲ませたいだけだから”
と、まるで第二幕が始まるように、雅なお茶の支度が整い始めました。
鉄壷に直接茶葉を入れ煮立て、紅棗を入れるのは3回目に煎れるときがいいのだとか。
どうして?と聞くと、最初の2回はお茶だけの美味しさを楽しむほうがいいからと・・・なるほどですね。
閉店まであと30分の10時半・・・・・もう2時間半も時間が過ぎていました。
気づけば店内も私たちだけ、商店街のネオンもすっかり落ちています。
レジを締めたいからというので、急いでお会計だけ済ませることにしました。
結局ここですべての茶葉を買うことに、しかも茶盤の上にあった茶壷に形に惹かれ
そのセットまで買っているのですから・・・・もともと少ない主人と私のお財布ギリギリのお買い物です。
ホテルのある道を伝えると、一緒に近くの角まで見送りに来てくれ
“来月からの新しい仕事頑張るのよ!”
と私たち2人がそう言うと、両手を目の下にあてて泣いてるポーズをしていました。
“何にでも挑戦しようとする、そんな姿勢がかわいいよね。
私たち買ったお茶、少しは彼女の成績にプラスになればいいね”
他の店員さんに撮ってもらった写真を今度送ると、教えてもらったそのQQのアドレス
落ち着いたら写真送らなくちゃ。
“老婆、嬉しそうだねぇ・・・・最初は気が進まなかったんじゃないの?”
興奮気味に帰る私に主人がそう茶化してきました。
そういえばそうよね・・・人生何が起こるか分からない、想像以外のことが起こるからこそ面白い。
次に訪れることがあっても彼女はあの店にはいないけど
でも福建省の茶葉がもたらした緣分、茶葉のようにまた次の季節にも摘めることを願って
ちょっぴり肌寒いアモイの街を歩きながらホテルに戻ったのでした。
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(アモイ滞在中台湾で地震がありました)
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香港情報担当しています(香港火鍋のおはなし)
個人の小さな店で買うがいいか・・・・その判断は人によって違いますよね。
国や地方にもよるだろうけど、中国の場合もちょっと迷うところだったりします。
チェーン店のほうが安全(な気がする)だけど、なんだかつまらない気もするし・・・・
お茶の産地である福建省に位置する街、アモイ
ちなみに中国名は廈門(xia men)
アモイというのは現地の言葉:閩南語の発音から来ているんですって。
最初にこの名を聞いたポルトガル人が自分の耳できいたまま訳して、それが世界的な名になったとか。
地名とか動物の名前とか、こういう由来でついたもの多いですよね。
その廈門という場所は、私が密かに行きたいと思い続けた場所。
大きくないのに実現するのに何年もかかった小さな目標
お茶の産地で買い求める茶葉も、この旅の楽しみのひとつでした。
直前まで忙しくほとんど何も調べずに降り立った廈門の街、どこに何があるかも見当もつかず。
ネットで思いのほか情報が得られなかったこともあるけれど、お茶屋さんの情報も何もないまま
到着日の夜に「いきあたりばったり」で茶葉を買いに街に出ることにしました。
繁華街に出て最初に飛び込んできたのは・・・・中国茶の大手チェーン店。
最初に入るのがここというのもなんだかつまらない気がしつつ、でもとりあえず入ってみることに。
店内に入ると大紅袍の試飲を薦めながら、若い店員さんが話しかけてきました。
「自分でちょっと見てみます」と軽く交わすものの、やっぱりあれやこれやと始まる説明・・・
どこのお店にも言えることだけど、これが時には煩わしく感じ、尻込みする要因になったりして。
買いたいと思っている鐵觀音茶を眺めているとき、彼女がこう尋ねてきました。
“台湾からいらしたんですか?”
海を挟んで台湾と近い廈門、地元の言葉閩南語と台湾の方言台湾語は実は同じ言葉なので
ここ廈門の人の中国語はどことなく台湾と似た感じ。
台湾人のような廈門の女の子にそういわれるのも変な気がするけど、日本人であることを伝えると
“えぇ??”
さっきまでの接客モードがなくなり、完全「素」でびっくりしている様子がなんとも可愛らしい。
台湾に近い中国語を話す日本人と香港人が面白いのか、キャッキャと嬉しそうなご様子です。
“鐵觀音淹れるから飲んでいって、飲んでいって♪”
60%素になっている店員さんに薦められ、「ま いっか」と主人と2人ご馳走になることにしました。
中国茶の専門家でもないので、お茶の良し悪しの判断は難しい。
高くて美味しいお茶を試飲させて、売るのは安いお茶・・・という店も残念ながら存在するとか。
値段だけで判断もつかない奥の深い中国茶、一番は買いたいお茶と同じものを飲んでみること
自分が美味しいと思えば、とりあえずは後悔がないですものね。
あいにく気温が下がっている週末の廈門
店内といえどオープンカフェのような場所、でも廈門の商店街を眺めながらの茶館に変身です。
まだ23歳という彼女、でも中国茶の学校で3年間勉強したとか。
鐵觀音を飲みながら、まるで店員とお客ということを忘れるかのようなお喋り。
いろいろなことに挑戦したいから、来月に転職をすること
1週間に1度しかない休みで、お給料は1000元ほど(約12000円)だけということ
家でも珈琲じゃなく中国茶ばかり飲んでいることや、生まれは廈門の隣の漳州だということ
“ね、QQやってる??”
何を聞かれたのかと思ったら、中国内で人気のFacebookのようなもの
さすが23歳・・・やってないと答えたら“な~~んだ”と肩を落としていました。
友人が来月日本に行くから、お土産に頼める高くないけど価値があるような品物って何かとか
日本人と香港人が結婚するのって、いったいどうやって知り合うのとか
そんな女の子としてのお喋りをしているうちに、気づけばもう2-3種類のお茶を飲み
お茶菓子もおかわりまでいただいていました。
“ねぇ・・・鉄壷で沸かす普洱茶飲んだことある?しかも紅棗(ナツメ)入れるのよ”
日本の南部鉄器はここ中国でも高いらしく、でもそれが一番美味しくできるとか
想像したら興味もあるしたしかに美味しそう・・・でも優雅すぎてなかなか出来なそうですよね。
“淹れてあげる!ちょっと待ってて、準備してくるから”
すでに滞在2時間近く、しかも何種類もいただいているのでさすがにこれは申し訳ない。
淹れてもらっても普洱茶も鉄壷も買わないことをはっきり伝えると
“いいの、いいの、飲ませたいだけだから”
と、まるで第二幕が始まるように、雅なお茶の支度が整い始めました。
鉄壷に直接茶葉を入れ煮立て、紅棗を入れるのは3回目に煎れるときがいいのだとか。
どうして?と聞くと、最初の2回はお茶だけの美味しさを楽しむほうがいいからと・・・なるほどですね。
閉店まであと30分の10時半・・・・・もう2時間半も時間が過ぎていました。
気づけば店内も私たちだけ、商店街のネオンもすっかり落ちています。
レジを締めたいからというので、急いでお会計だけ済ませることにしました。
結局ここですべての茶葉を買うことに、しかも茶盤の上にあった茶壷に形に惹かれ
そのセットまで買っているのですから・・・・もともと少ない主人と私のお財布ギリギリのお買い物です。
ホテルのある道を伝えると、一緒に近くの角まで見送りに来てくれ
“来月からの新しい仕事頑張るのよ!”
と私たち2人がそう言うと、両手を目の下にあてて泣いてるポーズをしていました。
“何にでも挑戦しようとする、そんな姿勢がかわいいよね。
私たち買ったお茶、少しは彼女の成績にプラスになればいいね”
他の店員さんに撮ってもらった写真を今度送ると、教えてもらったそのQQのアドレス
落ち着いたら写真送らなくちゃ。
“老婆、嬉しそうだねぇ・・・・最初は気が進まなかったんじゃないの?”
興奮気味に帰る私に主人がそう茶化してきました。
そういえばそうよね・・・人生何が起こるか分からない、想像以外のことが起こるからこそ面白い。
次に訪れることがあっても彼女はあの店にはいないけど
でも福建省の茶葉がもたらした緣分、茶葉のようにまた次の季節にも摘めることを願って
ちょっぴり肌寒いアモイの街を歩きながらホテルに戻ったのでした。
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by mangonaoko
| 2012-02-29 06:40
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