築60年の中でいただく台湾紅茶~古いものこそ味がある
2012年 05月 29日
ガラガラガラ・・・・
そうやって横へ開ける玄関・・・・戦前戦後の日本家屋によく見られるあの扉
考えてみたら私の人生の中でも、「経験」としたことはないかもしれません。
古い建物のお店だったり、旅先で訪れた博物館だったり・・・
実際にお邪魔したことのある家は、たいていがドアノブのある普通の扉でした。
でも記憶に残るか残らないか・・・建て替えをする前の母方の祖父母の古い家
大工をしていた祖父のその木造の家は、ガラガラガラ・・って開けるあの扉だったような。
京都の町屋もそうですが、最近は古い建物をリノベーションしてお店にすることも多い。
香港でも唐樓がモダンなレストランになっていたりしますものね。
築60年の日本家屋で台湾茶がいただける場所があると聞き
そんな日本と台湾を感じられるそのお店に、時間があれば行きたいと願っていました。
たいした下調べもせずに訪れたのは、ある晴れた週末。
私が大好きな台湾の「金宣茶」・・・・あいにく平日のみの用意なのだとか。
でもせっかくなので珈琲ではなく、台湾紅茶なんていただいてみましょうか。
紅茶も烏龍茶も緑茶も・・・もともとは同じお茶の葉っぱ。
違うのはその製造過程なんですものね。
その台湾紅茶で作ったチャイ
ここに大粒のパールタピオカなんていれたら、それこそ珍珠奶茶の出来上がりです。
そうそう、最近台湾では烏龍奶茶なんていうのが密かなブームなんですって。
こちらのチャイは・・・お好みで黒蜜をプラス。あ、ここで日本が登場って感じかな。
ちなみにこちらのお店の名前は「紅」
“くれない”でも“べに”でもなく・・・・“もみ”って言うんですって。
ロールケーキに小さく書かれた紅の文字、なんだか京都のあの文字みたい。
畳の上に座布団敷いて
靴を脱いで中庭を見ながらのティータイム
ガラガラガラ・・・・と扉を開けて入ってくる新しいお客さん
あ、奥に見えるトイレ、昔の木で出来たドア・・・分かります?金具の鍵がついているようなあの扉
日本でも香港でも欧米の人などは、あえて築年数の古い家を好んで住む人が多いとか。
伝統的な物を重んじる文化からか、現地の人が驚くような斬新なリノベーションをする人も。
生まれた頃から電気があって、水洗トイレがあって・・・という生活に慣れていたら
古い古い建物での生活は、実際には不便と感じる部分がきっと多いことでしょう。
水周りの古さ、木造ならではの隙間風、そのほか「当たり前」と思っていることがない見えない部分
台湾などでも日本統治時代の家屋を使ってのお店が数多く存在します。
もちろん店ではなく、実際に上手に住んでいる人もいらっしゃいますよね。
最新設備を兼ね備えた新しいマンション
その建物を見て羨ましいと思ったことも何度もあるけれど
古いものをうまく使って、うまく再生して蘇らせる・・・・・・
そのほうが、実はとっても豊かなのかもしれません。
中庭から吹き込む風を感じながら、ゆっくりのんびりといただいた台湾のお茶。
私がいつか夢見ているのは・・・古くても自分の家を持ち、中を自分達の好みに変えること。
もちろん予算的にそのほうが安くできるというからだけど、実は値段だけじゃない面白さがあるから。
耐久性など現実的な問題は多々あるでしょうけど
新しいものを買うより、古いものを再生するというほうがちょっといい。
だって・・・・そういうことが上手な人って、きっと気持ちが豊かでしょう?
考えて、想像して、そして創造していく・・・・・可能性は無限大になりますから。
久々に座布団に座ってのアフタヌーンティー
その家は築何十年?・・・・
その数字を聞いて古いねと落胆するより、味があるねって喜びたいものね。
cafe紅~momi
中央区日本橋小伝馬町8-5
03-3664-3908
台湾工夫茶は平日のみの取り扱い
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香港情報担当しています(植物の話)
by mangonaoko
| 2012-05-29 07:02
| 日本でアジア