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鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko

時間だけでなく思い出をも留めていてくれるもの~香港公屋

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私にとって団地といえば叔母の家でした。
最寄の駅からバスに揺られて30分弱、子供にとってはまさに小旅行。
終点のバスターミナルで降りると、たいていはその前にある商店街に寄ったものです。
夏だったら棒アイスとか買ってもらっていたのでしょう。
同じような建物がいくつもいくつも並ぶ団地、目印は棟の番号のみ。

子供の自分にとっては、団地は小さな小さな町でした。
お店も揃っていれば郵便局もあり、学校もあれば公園もある、
わざわざ外に行かなくたって生活に必要なものが全てある、
子供目線だからかもしれませんが、それはひとつの世界だったのです。

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香港の団地は“公屋”と呼びます。
日本語の“団地”も、香港の漢字で書くと“團地”
なんだか一致団結のようなそんな雰囲気すら感じられますよね。

同じような年代に建てられたせいか、場所が違えど中の雰囲気は同じようなもの。
違いと言えば香港の場合は「~樓」と名前で建物が分けられてることでしょうか。
それから5階以上のものがほとんどなので、階段だけということがありません。
60-70年代などの古くて低いものは階段のみというものもありますが、
80年代以降のものはロビーにエレベーターというのが一般的です。

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どこの国も同じでしょうけど、昔は高い建物自体が多くないですよね。
団地も同じ。
ま、それでも5階建てが主流の日本の団地と比べれば十分高層になりますが。

新しい団地はほとんどが30階建て以上、そして近くに商場があるのが普通です。
商場とはショッピングセンターのこと。
でも駅チカのような規模ではなく、スーパーやレストランなどが入る地元レベル。
でもこれが古めの団地となると、1階部分にズラリと並ぶ一体型なのです。
住宅と商店街が同じ空間に集結するのですから、日本の団地以上に便利ですよね。

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今でこそコンビニやチェーン店もテナントを構えるようになっていますが、
それでも団地の中にはまだまだ昔ながらの商店が健在しているんですよ。
昔は今のように大型スーパーが少ないでしょう?
日本もそうですが「~屋さん」と呼べるような場所で買い物をしていたんですよね。

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こちらはお肉屋さん。
中にある店はよくよく見かけるスタイルですが、全体的に味がありますでしょ。
ちなみにお店の名前が右から左に書かれるこのタイプ、
まさに歴史がある証拠、こういう店も団地内ではまだお目にかかれるんですよ。

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漢方屋さん。
なかなか日本人がこれを日常的に使いこなすというのは難しいのですが、
でもその反面ちょっと羨ましかったりもします。
こういうのササッと買い求めるのって、なんだかいいですよね。

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とっても昭和な香りのする時計屋さん。
デジタルってだけでその時計が粋に感じちゃうような、そんな空気が流れています。
中心部に並んでいるキラキラしたのじゃない、蛍光灯の照明がメインの店。
そんなに必要ないよ、って言いたくなる回転椅子の数の多さがちょっと寂しげかも。

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あ、こちらも右から書かれていますね。
ダンボール箱が陳列の重要アイテムってところ、きっと昔も同じなんでしょう。

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辦館

何でも屋さんと呼べばいいでしょうか。
食品がメインだけど、トイレットペーパーとかの日用品も置いてある。
でも中にはスーパーよりお値打ちな値段で売られているものもあるんですよ。
でもお買い求めの際は念のため賞味期限ご確認を、念のためね。

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駄菓子屋さんってありましたよね。
コンビニが出来てからはそちらに移ってしまったけれど、まさに子供のワンダーランド。
少ないお小遣い握りしめて、友達とよく行ったものです。
時代が違うとはいえ、100円で色々なものが買えたような。
香港も同じで、10ドルあればかなりの選択ができたそうですよ。

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ガチャガチャ。
ショッピングセンターの中に並ぶのと比べて、かなりな手作り感満載。
両方とも日本のキャラクターですけどね、どうみても本物じゃない。
でも最近はガチャガチャでも20-30ドルというものもありますから、
子供にとってはたとえニセモノでも手が届くほうが嬉しいのかも。

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昔はお隣近所だけでなく、全体的に知り合いになるような空間。
子供が外で遊んでいても、いつも誰かが見ていてくれるような、
お互いがお互いを助け助けられるそんな場所が団地だったそうです。

最近は高級マンションが多くなり、挨拶や会話がないのも普通。
こういう変化、香港だけじゃなく日本だって同じですよね。

高度成長期に数多く建てられた団地。
だからこそ多くの香港人はここで生まれ育っているはずなのです。
今はお金持ちでも、子供の頃の思い出がここにある人も多いはず。
昔ながらの雰囲気をそのまま残し続ける空間、
外国人である私の思い出はここにないけれど、でも家族の思い出がある。
変わらない姿は、時間だけでなく思い出をも留めていてくれるものです。







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(週末は満席の日もあります、詳しくは上記リンクをご覧ください)

【香港~2月】10:30~12:30 (佐敦)
平日:16日(二) 18日(四)23日(二)24日(三)26日(五) 29日 (一)
週末:14日(日)20日(六)21日(日)

参加費:1回200HKD 2回390HKD 3回550HKD 4回700HKD
旅行中の方もご参加されていますよ!お待ちしております♪







by mangonaoko | 2016-02-07 08:28 | 香港だより