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鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko

この細い1本道もいずれ地図から消えるのだろうか~北角馬寶道

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初めてこの場所の景色を見たとき、
「こんな面白い景色があるんだ」と、とてもワクワクしたのを覚えています。
街市のど真ん中をトラムが走る。
その2つとも日本にあるようで、同じものが存在しない。
あえて想像するとしたら上野のアメ横を、都電が走るそんな感じでしょうか。

北角

香港島に位置していて、しかも銅鑼灣とかから離れていないにもかかわらず、
ローカルな空気が今でも残っているそんな場所ですよね。

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トラムが走る春秧街の本当に目と鼻の先。
そしてMTRの入り口にも近いというこちらは馬寶道と呼ばれています。
英語表記だとマーブルストリートと、なんだか美味しそうな可愛い響き。

車が通らない、人間だけが歩くという細い細い1本道ですが、
そういう環境もありこちらには小さなお店が所狭しと並んでいるんですよ。

この細い1本道もいずれ地図から消えるのだろうか~北角馬寶道_a0132659_18122877.jpg
でも久々に通るとなんだか物々しい、普通ではない空気に包まれています。
まぁここで初めて見るものではありませんが、白い布に手書きで書かれてる垂れ幕。
こういうの、ほぼ99%が抗議内容だったりします。
たとえ中国語や漢字が解読できないにしても、怒っている雰囲気って伝わりそうですよね。

この細い1本道もいずれ地図から消えるのだろうか~北角馬寶道_a0132659_18122500.jpg
なんでもここ数ヶ月政府から圧力がかかっているとのこと。
最初は道に商品を置くなとか、そういう簡単なことから始まっていたとのことですが、
結果的にそれはここで商売をする人の首を絞めることとなっていくのです。

他の場所でも食環署の人間が定期的に見回るのは見たことがあります。
それは通常であれば決して悪いことではないはず。
出してはいけない場所にある商品やテーブルを片付けるようにお店に言っていたり。
まぁたいていが「はいはい」とその場では全て撤去し、彼らが立ち去った数十分後には
以前と変わらない姿に戻っていますけどね。
イタチごっこじゃないけれど、その辺りはある程度許される範囲なんでしょうか。
そうじゃなかったらライセンス剥奪とか、本当に大事になるはずですものね。

この細い1本道もいずれ地図から消えるのだろうか~北角馬寶道_a0132659_18123551.jpg
あちらこちらに貼られる抗議垂れ幕の上には、もう誰も住んでいないような古い建物。
こういう人気のない古い建築物に、政府への抗議の文字。
この組み合わせを見たら、最近の香港では簡単に想像がつきますよね。
どんな理由を述べたとしても、その先に見える「取り壊し」の文字。

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北角の海側では大掛かりな工事がかなり前から行われています。
新しい高級マンションなどが建築される予定だということです。
フェリーターミナルやバスターミナル付近は、その立地的にもオーシャンビューですものね。
それはそれは高い建物が建てられることでしょう。
建物の高さ以上に、値段の高いものが。

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はっきり提示はしていないそうですが、誰もがこう考えてるそうです。
この道もなくなり、いずれはここに一般市民と関係のないものが建築されるのだろうと。

この細い1本道もいずれ地図から消えるのだろうか~北角馬寶道_a0132659_18123893.jpg
私は香港の「重建」という言葉が好きではありません。
古いものを壊すのが悪いのではないのだけど、香港の方向はそれと何かが違う。
「重建」という言葉を盾にして、その向こうでは市民に関係ないことが進められる。

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灣仔に以前あった1本道、喜帖街。
正式名称は利東街ですが、印刷会社などが多かったことからこう親しまれていました。
この道は現在地図の上にも存在していません。
今では高級マンションがドドンとその敷地に建てられ、以前道があったのが嘘のよう。
そしてそこにはなんちゃってヨーロッパ風の、何とも言えないショップが並んでいたり。

ちなみにこのマンションの名前は「囍歡里」
まるで以前のここの様子を残すかのようなネーミング。
でも中に入る店舗は当然ながら高い家賃に太刀打ちできるような店ばかり。
以前ここで商売していた人なんて逆立ちしたって、バク転したって無理なのです。

この細い1本道もいずれ地図から消えるのだろうか~北角馬寶道_a0132659_18124908.jpg
発展発展・・・何かと言えば発展。

この言葉は中国語も日本語も同じだけど、ここ香港では使い方を間違っている。
或いは使う相手を間違っていると言えばいいのでしょうかね。

いいですよ、古いもの壊しても。
時には危ないですしね、残すのだけがいいとは限らない。
でももうほどほどにしてほしい。。
お金のない人が生活する場所を取り上げて、金持ちのための物を作る。
じゃ、彼らはこの後どこで活きればいいんでしょう。
その人達を追い出す時に「発展のため」なんて言わないでほしい。
香港市民のための発展ならば、億単位で売るマンションはさほど必要ないはずです。

北角の小さなマーブルストリート

お願いだから5年後も10年後も、Google mapで見れるように。
ここがなくなるとは誰も断言していないけど、それもあり得る
それがここ最近の香港なのです。





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平日:1日 (二)3日(四) 10日(四)15日(二)17日(四)23日(三) 30日 (三)31日(四)
週末:5日(六)19日(六)20日(日)

参加費:1回200HKD 2回390HKD 3回550HKD 4回700HKD
旅行中の方もご参加されていますよ!お待ちしております♪






by mangonaoko | 2016-02-25 19:57 | 香港だより