お米も油も人の手から人の手へ~成興泰糧食
2017年 06月 21日
これは中国語になりますが、どんな意味かはきっと説明不要ですよね。
どんどん便利になり、生活の質と同時にスピードもどんどん上がっていく現代社会。
様々なものがアナログからデジタルへと変わり、その便利さも気づけば当然のようになっていきます。
でもその向こう側で減っていくのがこの人情味。
人と人との直接的な関わりが年々少なくなっていくのは、日本だけでなく香港だって同じです。
以前は直接話さないといけないことも、今は携帯の文字だけで簡潔に伝えることが可能。
声を聴かずとも、相手の状況を気にせずとも、なんでも瞬時に処理できるシステムの開発。
便利で、余計なことに気を遣わずに済むのは楽だけでど、でもそこに人の温度はありませんよね。
という言葉の響きすら久しく感じてしまう昨今。
大型スーパーの前では個人商店の存在はどんどん影を潜めていってしまいます。
こちらは石硤尾に古くからあるお米屋さん。
そういえばこういう場所でお米って、日本でも香港でも買ったことがないかもしれません。
60-70年代の香港ではなんと4000軒を超えるお米屋さんがあったそうですが、
食生活の変化からお米自体の消費が減ったこともあり、現在は5軒も残っていないとか。
香港で主流に売られているのはタイ米。
もちろん日本や台湾などのお米も手に入りますが、レストランなどでもタイ米が圧倒的に多いですね。
スーパーなどで売られているのは5キロなどのパック形式ですが、こちらは全て量り売り。
ここに限らず市場の海鮮や野菜なども、基本重さでの販売ですものね。
一見難しそうですが、実はこのほうが効率がいいのかもしれません。
ちょっと欲しいという時にも臨機応変に対応できますもの。
全盛期だったという60-70年は香港でもお米が主食。
そのため当時は50キロや100キロなどの大量注文が普通にあったそうですが、
現在は私たちが個人で買うような5キロとかの数キロ単位がほとんどだそうです。
レストランなどもきっと別のルートで仕入れるのが普通になっているのかもしれません。
お客さんの要望によって、古いお米と新しいお米をミックスして売ることも少なくないそうです。
なぜなら何を作るかによって、新しいお米がいいとは言えないだからとか。
それでもこれは新しいほうなんですって。
お店の角のは今はあまり使われない、本当に錘で量る秤が置かれていましたから。
たしかにお米を買ったついでに他のものも買えるのって便利ですものね。
醤油や酒などの調味料のほか、塩なども販売しています。
花生油という、香港ではポピュラーなピーナッツ油です。
この大きなドラム缶全てが油、もちろん量り売りでの販売ですよ。
たしかに油って水と違ってある程度決まった容器しか使えないですものね。
ちょうどお客さんが来たので、ただいま油の注入中。
ちなみに手前の小さいのがスーパーで売られているもの、明らかに色が違いますでしょ。
ここのは100%花生油、スーパーで売られているのはそうでないということですね。
日本ではごま油で同じようなことが言えるかも。
もちろん車のようにどこまでも・・・というわけにはいきませんが、
これだって人の手から手へ渡す温もりのある方法ですよね。
お客さんだって昔から買いにくるお馴染みさんがほとんど。
だから自然と会話が生まれます、注文の言葉がその中に隠れてしまうそうなくらいに。
ピッピッってバーコードで金額を確認し、カードでピッと決済。
レジのこっちにも向こうにも人がいるけど、言葉を発しなくてもすむお店とは違うんですよね。
だからこういう場所に来るとふっと思い出すのです。
人情味
便利さの中にはあるようでない、この味この温度。
その便利さに慣れ、その便利さに流され気づくと何かを忘れてしまいそうな現代。
連絡は怠ってないけど、あの人の声前回いつ聞いた?
そんなことを帰り道に気づかせてもくれる、やっぱり温もりっていいものなんですね。
(満席の日もあります、詳しくは上記リンクをご覧ください)
【香港~7月】10:30~12:30
平日:6日(四)11日(二)17日(一)18日(二)26日(三)
週末:15日(六)23日(日)
参加費:1回200HKD 2回390HKD 3回550HKD 4回700HKD
旅行中の方もご参加されていますよ!お待ちしております♪
by mangonaoko
| 2017-06-21 10:30
| 香港だより