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鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko

戦時中の廣州で生まれた香港小吃~お粥と炸兩

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第二次世界大戦中の廣州
小さな泮塘の町にあった「嚼荷仙館」というお店の主人は、こう考えたのです

“なるべく安い代金でたくさん食べてもらいたい”

決して物資が豊かではないこの時代の小さな町で
腸粉と油條(南方では油炸鬼とも呼びます)の2つを1度に食べられるメニューを考えました。
揚げたての油條を、熱々の腸粉でクルクルクルと包み込んだこの食べ物は
またたく間にこの町の人気メニューになり・・・・その後香港へ伝わったとか。

それが・・・・・・炸兩
そう、お粥の時に一緒に注文するサイドメニュー

戦時中の廣州で生まれた香港小吃~お粥と炸兩_a0132659_6395982.jpg


廣州の泮塘で生まれたというこの炸兩
その話が本当かどうかは知りません。
一説では新鮮でなくなった油條を、また美味しく食べられるように・・とお店が考案したとか。

初めて香港で美味しいお粥を食べたとき
その美味しさに驚いたのはもちろんですが、周りのテーブルで皆が注文する品にもびっくり。
お粥に焼きそば・・・それにこの炸兩

何をどう見たって「炭水化物+炭水化物」
朝食はしっかり量を食べられる私でも、さすがに喉が詰まりそうなこの組み合わせ


でも・・・美味しいんですよね。
その廣州のご主人が考えたように、揚げたての油條を熱々の腸粉で包むからこそのこの味。
サクサクッと口の中で消えるような軽い食感の油條と
トロッと溶けるように軟らかい腸粉
100%全てが炭水化物なのに、想像以上にペロッといただけちゃうのだから不思議です。


戦時中の廣州で生まれた香港小吃~お粥と炸兩_a0132659_6395920.jpg


私が大好きなパン“雞尾飽”も、もともとは古いパンを再生しようと生まれたパン

この炸兩も、戦時中に1度に2種類を食べれるように考案されたのだとしたら
“炭水化物の組み合わせなんて・・”って言えなくなっちゃいそう。


飲茶に行っても好きな蒸篭をいくつも選べて
茶餐廳でも数え切れないほどのメニューから、食べたいものをいつでも食べられる

でも・・・・・もし物が豊かでなかったら
ひとつのお皿に油條が腸粉が一緒に乗っていたら・・・・きっと嬉しいのだろうなぁ
1人で2種類頼むほどお金はないけど、これなら1皿の値段で楽しめる
1人で2種類は食べられないけど、これなら一人で全部楽しめる
あ・・・なんだか昔食べた焼きそばパンに似ているかも。
お洒落なパン屋さんじゃなくて、近所のパン屋さんに並んでるような焼きそばパン。

1940年
私がまだ見たこともない時代の廣州
そんな時代に生まれたのかもしれない・・・・炸兩
昔からあるメニューには歴史がある分、作り手の知恵が込められているもの
知恵だけじゃない、時代背景やその当時の思いや苦労も。

“炭水化物ばっかりだわ”

って以前言った自分の言葉は、豊かな生活しか知らないからこそ。
でも・・・テーブルに並ぶその品の歴史をちょっと覗いただけでも何かが変わるかも。
だから、次にお粥頼むときにも一緒に注文しようかな・・・炸兩

よく分からないけど、注文したくなる
なんだか不思議だけど、なんだか優しい味がする

だって、1皿に2種類も乗ってるんだもの・・・・嬉しいにきまってるじゃない、ね。
「嚼荷仙館」のおじさん・・・・どうもありがとう、今も楽しくいただいています。



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by mangonaoko | 2011-04-19 06:42 | 香港料理