縁も煮込むほど味が出る・・・魯肉飯
2011年 04月 21日
魯
昔ながらの書き方だと「滷」ともいうこの字
お醤油や調味料などで“煮込む”ことを意味します。
滷水と呼ばれる醤油ダレに漬け込んだ料理は、香港では「潮州打冷」としてもよく目にするもの
潮州打冷とは潮州料理のこと、またこれをいただける大排檔をも指す言葉です。
台湾でもよく目にする煮込み料理・・・・手軽で代表的なのが「魯肉飯」でしょうか。
豚のばら肉を、お醤油やお酒、大蒜・生姜・砂糖などの調味料と一緒に
何時間も何時間もコトコト煮込んだ、日本でいう“肉そぼろ”に近い感じ。
台湾の魯肉は、長時間煮込む分その甘いタレも絶妙で
これがご飯にかかった「魯肉飯」は、そのお肉とタレがご飯と絡み合い
まさにこれだけで何杯も食べられてしまう美味しさなのです。
“naokoさん お元気ですか?覚えていますか?”
今日突然やってきた1通のメール
随分前に台北で出会った、当時高校生の女の子からでした。
日本の芸能界に夢中だった影響で日本語を勉強し、たどたどしい日本語で話しかけてきた彼女
大學でも日本語を専攻し、一時は交換留学生として九州にも来ていたとか。
もうすでに大學も卒業しているであろう彼女、台湾の住所しか知らないせいもあって
ここ最近は連絡が薄くなっていました。
“今ね、日本にいるの。静岡の下田って場所にいる”
ワーキングホリデーを利用して日本にいるという彼女は・・・・もう25歳の大人の女性。
日本に興味を持ち、日本語を勉強していた後・・・また再び日本の地を踏んでいたのです。
“ね、今話せる?超久しぶりだからnaokoさんの声聞きたい”
“超~”という言い回しがなんだか可愛らしい
久々に聞く彼女の声は・・・・・5年以上時が経っていても以前のままでした。
“一緒に写真撮ってもらえませんか”
と台北の町で声をかけてきて出会った頃、彼女の日本語もたどたどしかったけど
私はまだ本格的に勉強を始める前、中国語で会話なんて遠い遠い夢のような感じでした。
あれから・・・・・・気づけば10年。
考えてみたら中国語でのお喋りなんてこれが初めてかもしれません。
妹のように年が離れているとはいえ・・・女同士のお喋り
それが中国語でも日本語でも、時を超えてまさに“話に花が咲く”ものですね。
今年1月・・・台北から日本に来たというその日
私がちょうど台北を旅行をしているあの時でした。
もう5年以上も会っていないけれど、このニアミスもなんだか不思議な縁のひとつのよう・・・・
私が帰国日に花博を回りながら、フト空を仰いだときに見えたあの飛行機
何機も飛んでいたから、あの中のどれかに彼女が乗っていたりして・・・なんてね。
私が中国語と台湾に夢中になり始めたとき
彼女も日本と日本語に夢中になったときでした。
あれから10年・・・・・・
私は香港人と結婚し、彼女は半分仕事として日本にいる
お互い時を刻み、色々変化しているけれど・・・お互い共通していえること “興味の対象は今も同じ”
久々に國語で話す女同士のお喋り
初夏の再会を約束してその話を終えたとき、なんともいえぬ清清しい気持ちになっていました。
台北の妹妹の頑張ってる姿を知った喜びもさることながら
思い出したこの気持ち・・・・私はこの中国語が好きだということ。
家族が香港人だからとか
生活で必要だから話さなくちゃとか
将来のためにもっと上手くならなくちゃとか
もしそういう理由がゼロだったとしても、私はやっぱりこの言葉を話すのが単純に好きなのです。
あの頃台北の空を見上げていたときに感じた気持ちを思い出したのか
その頃に出会った彼女の声を聞いたからか
それともその彼女が話す、台湾の國語を耳にしたからか
終わりのない勉強
でも私にはもうひとつの顔がある・・・・一生ものの趣味
初夏に会ったら何を話そう・・・・
10年煮込んできたこの縁・・・きっと美味しくて深い味わいが滲みこんでいるはず。
魯肉飯、初めて会ったあの晩のようにまたいつか彼女と食べたいな。
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香港情報担当しています(4/18New)
by mangonaoko
| 2011-04-21 06:38
| 鴛鴦茶餐廳より