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鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko

人情のつまった菠蘿包~1.5ドルを握り締めて

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14年前の物の値段って覚えていますか・・・

日本だと消費税が5%に上がった頃でしょうか
香港は返還された頃・・・・・ついこの間のようでいて、随分前にも感じるそんな14年前。
そんな頃からパンの値段を上げないで、今も頑張っているパン屋さんがあります。

深水埗の一角にあるパン屋「櫻桃麪包西餅」
香港のパンは5ドル前後が主流、日本に比べたら随分安く感じるその価格ですが
このお店で売られている菠蘿包や雞尾包は、なんと1.5ドルなのです。
そのほかのパンも腸仔包 2.5元、蛋撻 2元、紙包蛋糕 2.5元・・・いずれもなんて良心的。

人情のつまった菠蘿包~1.5ドルを握り締めて_a0132659_6285100.jpg


この14年・・・粉も卵の全ての材料も、もちろん家賃も値上がりしています。
金融危機もあり決して情勢が良いとはいえない今の香港で、でもずっとずっとこの値段なのだとか。
ご夫婦で切り盛りしているこのお店、ご主人がこう語っていました。
「1.5ドルで儲けは出ない、まさに薄利多売。
でもここ深水埗には老人も低所得者もたくさん住んでいる
私たちが値上げしたら、皆はどうやって食べるの?
だから値上げはしない・・・その代わり少なくとも1日5000個は売らないと!」

この店にパンを買いに来ていた女性は、ご主人が他界して子供が2人いるとか。
彼女にとってここは天国、いつも10個パンを買って帰るそうです・・・10個でも15ドル
おかずだってこの値段じゃ買えない、でも10個のパンは2食にもなる
彼女がこう言っていました
「子供も家計の事情を理解している・・・だからいつもパンでも何も言いません。
私は1食パン1個で十分・・・・残ったお金は子供の交通費や教育費にあてられますから」
翌日でも美味しく食べれるそのパンは、彼女の家計も支えているのです。

人情のつまった菠蘿包~1.5ドルを握り締めて_a0132659_628755.jpg


でも・・・この値段で商売が楽というわけがありません。
パン屋のご主人は毎日夜中2時に起きて、6時開店に向けてパンの準備にとりかかるとか
「誰もが社長は何もしないでいいと思う。でも人を使えば支出も増える・・・それでどうやって続ける
だから自分の希望でこうやって全て自分でやるんだよ」

だからこそ・・ここの菠蘿包には人情が溢れているといいます。
普通の菠蘿包だけど、でも言葉では表現できない「味」が包まれているのですね。

そうそう・・先ほどのあの彼女がこうも言っていました。
大手チェーン店のケーキはホールで100ドル以上、でもここのケーキは3-40ドル
これだったらお誕生日を祝ってあげられる・・・・・・。


大好きな菠蘿包、大好きな雞尾包
今度はこんな人情のつまってるパンを食べよう
特別でもない、有名人が紹介もしていない・・・でもここのパンはきっと香港一でしょうね。


追記:あいにく私もまだいったことないので、写真のパンは別のパン屋さんのものです。


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看板娘ルノー(ご夫婦の努力あってのこの値段)

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香港情報担当しています(8/23NEW 飲茶のあのお話)

by mangonaoko | 2011-08-31 06:29 | 香港だより