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鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko
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豚を見て学び、豚を見て泣きました~ある日の土瓜湾

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日頃やっていることと、感情が矛盾することってあるものですよね。

街を歩いていたら、少し先に1台の車が停まりました。
後ろの扉が開いて見えたのは・・・これからお肉屋に運ばれる何匹もの豚の姿。

香港ではさほど珍しくもない、1匹まるごとの豚。
内臓をとられ、まるで干物のように開かれている豚は
その冷蔵車の中で、曲芸をしてるかのように逆さまに吊るされていました。

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作業をするおじさんは手馴れた手付きで、豚を2匹ドサッと床に下ろしています。
車の近くに荷台をつけて、その2匹をそこに移動。
さっきまで開きのようだった豚は、荷台の上ではまるで横たわるような形になりました。
2匹がまるで向かいあって寝っころがっているようだけど
その上には別に吊るされていた内臓がドサッと乗せられました。

ガラガラガラ・・・・
荷台はおじさんに押されて、すぐ近くの肉屋に運ばれていきます。
目の前を通り過ぎていく豚たちは、荷台の振動で体も揺れてまるで活きてるよう。
珍しくもないけどいつも遭遇しないその場面にカメラを向けた私だけど
その豚が目の前を過ぎるときは、ただただ見つめることしか出来ませんでした。

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その豚はいつものように肉屋の中に運ばれてドサドサッと床に落とされていました。
店先には赤いランプの下で、細かく部位に分かれて売られている肉がたくさん
私たちが食卓やレストランで口にする、豚肉と同じです。
叉燒とか大好きで食べている自分なんだけど、その光景がなんだかとても重たくて
その肉屋を離れて歩き始めた途端に、ほろっと泣けてきたのです。

真昼間の土瓜湾
活気あふれる下町のど真ん中で、その涙は溢れたら止められなくなってしまいました。

活きるために当たり前のように豚肉を食べているのだけど
豚だけじゃなく、鶏や牛も美味しく食べているのだけど
可哀想という感情だけで、食べなくなるわけではないのだけど

目にした豚はあまりにも生々しくて
あの子昨日まで生きていたんだなぁ・・・と思うとたまらなくて
活きていたけど自分の明日をもしかしたら知っていたりしたのかな。
ドサッと荷物のように運ばれていく姿がなんだか痛々しくて。
その横たわる姿が、なんだか本当に寝てるだけのようで
豚なんて抱っこしたことないけど、思わず撫でたくなるそんな姿だから。

そう、普段食べているのに可哀想なんて感情はただの矛盾
でも流れる涙はなんだろう・・・可哀想というだけじゃない、
でも罪悪感でもない、説明できない複雑な感情から出たものでした。

“老婆・・・仲間の姿を見て泣いちゃったの??”

豚を見て土瓜湾の真ん中を泣きながら歩く私に、主人が冗談まじりにこう言いました。

“そうよ・・・仲間のためにも無駄にしちゃいけないのよ”

そういえば昔、叔父がこう言っていました。
鶏を殺す場面を見たら、しばらく鶏肉なんて食べられなかったと。
もちろんそんな場面を見ることがいいとも、見るべきとも思わないけれど
豚1匹がそのまま運ばれるのを見たのは、私も香港が初めて。
スーパーで綺麗にトレイに並んでいる肉しか見たことがなかった私には衝撃だったけど
でも・・・・こういう姿を見るのはいいことかもしれません。

1日に数え切れない豚が荷台に乗せられ運ばれている。
香港だけでなく、世界中どこででも。
豚だけでなく、さまざまな動物たちが。
活きるために食べるのだけど、それが昨日までは同じように活きていたということを
私は忘れてはいけないのです・・・・・そう、豚に言われたような気がしました。



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Commented by ruthinilhaformo at 2011-12-29 00:45 x
人は生まれながらにして罪人、という話を聞いたことがあります。動物であれ、植物であれ、人は何かの命を奪うことなく、生きていくことができません。そのような苦しい業を背負った存在なんですね。こうして殺し続けていく苦しみや痛みを、神様は人間に「罰」として与えていらっしゃるんだろうか・・・なんて考えてみたりもします。

豚肉を非常に多く消費する台湾では、このような豚の姿、かなり頻繁に見かけます。一度、行きがけに、まだ命ある豚を乗せたトラックを見かけ、帰りに同じ(?)トラックが、写真のようになった豚を乗せて走り去るのを見たことがあります。何ともいいがたい気持ちでした。

宗教家でもありませんし、仙人のように霧だけを食べて生きていけるわけではありませんが、それでも、このような風景に心を痛めずにはいられません。せめて、頂いた命を無駄にすることのないように・・・それだけは常に心に留めておきたいと思います。
Commented by TOUKO at 2011-12-29 08:20 x
そうですよね、矛盾してますよね・・わかっているけど、わかってるのだけどnaokoさんのような気持ちになることよくあります。でも動物や植物(育てる為に虫の命ももらってますよね)なくては生きていけません。

常に何かの命を奪って生きて、生かされてる事を忘れずに、もらった命を無駄にしないようにしなくてはいけないと、思います。
Commented by zhenyou at 2011-12-29 20:04 x
お話を読んでいてバスの中で思わず泣きそうになりました…。
本当にそう、矛盾しているのは分かってるんだけど胸がギュッとなります。
以前、日本でも食育の一環として小学生がクラスで豚を飼い、一年育てたその豚を食べるといったストーリーの映画があり、それを思い出しました。
naokoさんのお話は日常での出来事。運ばれてゆく様子など当然リアルでショックというか…なんとも言えない気分です。
でもこれからもたくさんの命を食べて生きていく事は変わらないので、せめてそれが無駄にならぬ様、人間も自然の中でマナー違反をせずに共存していければ。
Commented by mimi姐姐 at 2011-12-30 07:23 x
現実をしっかり見つめる事は時にはとても酷な事。 だけどそれをよく心に留めて生きることは、何も知らない自分よりもいろんな面で成長しているはず。。。私たちはいろんなものたちに生かされているのですから自分の命を大切にして、その分もたくましく生きなくてはね。
いろんなエネルギーをいただいて生きていることに心から感謝して食事の前の『いただきます』を心をこめていえる2012でありたいと思います。
Commented by nicho at 2011-12-30 08:22 x
初めて沖縄を訪れた時同じ様な感覚におちいりました。
顔がそのままの型で売られていたり正直ちょっと固まりました。
元々出されたモノは残さない主義でしたが、それを見てからはもっとちゃんと味わって残さず頂く事にしています。
最近では小学校等(都市部ではないですけど)では豚や牛を育てているそうです。もちろん食用です。
売られていくトラックを見送るのはかなり心苦しいですよね?
でも、幼い頃からそういう環境にいると命の大切さも食卓に並ぶモノへの感謝の気持ちとかも芽生えますよね。
食事意外にも与えられたモノに感謝していきたいですね。
Commented by mangonaoko at 2011-12-30 10:51
>ruthinilhaformoさん
人は生まれながらにして罪人・・・・うん、そうですよね、なんだか今はとっても心に響きます。おっしゃるように霞だけ食べていけるわけではないのだけど、ああいう光景を見ると心が痛みます。でも痛みがなくならないように、いつ見ても同じ感情を持つようでありたいです。
台湾も豚肉たくさん消費しそうですものね・・・。日本で育ちスーパーのお肉だけ見ていると、頭では分かっていても心であまり感じないものです。だから、こういう光景に出会って、色々なものを感じる・・・・・荷台に乗せられた豚を見ながらしみじみと本当に感じました。
Commented by mangonaoko at 2011-12-30 10:54
>TOUKOさん
ライオンが狩りをする光景を見ても、「現実って酷だなぁ・・」って思いますけど、人間の場合は時には過剰だったりしますものね。自然の力だけではやっていけないほど増えた人間の数・・・・仕方がないのでしょうけど。
この日あった豚は本当に寝てるようだったんですよ。揺れるとなんだか肉感がとっても感じられて・・・・家にいる猫とかと同じようにお腹触ってあげたくなるそんな感じだったんです。無駄にしちゃいけないですよね、もらった命は。でも無駄に奪ってもダメですよね、尊い命は。
Commented by mangonaoko at 2011-12-30 10:57
>zhenyouさん
そうなんです、可哀想と感じたその日の夜だって普通にお肉を食べているんです。だから矛盾しているのだけど、目の当たりにすると痛みますよね。子供心でも育てた豚を食べるというのはきっと衝撃なはず・・・・そうやって自分たちは活きているということを学ぶという意味ではいいのかもしれませんよね。そうじゃないと、売られている肉だけ見ていたら、平気で無駄にしてしまうかもしれません。
ふかひれなどの高級素材、現実はかなりひどいと聞きます。ひれだけ取られて海に返される光景も見ました・・・・その姿で活きていけるわけがないのに。だからうちは最近ふかひれ食べないんですよ、個人がどうやっても意味ないかもしれないけれど。
Commented by mangonaoko at 2011-12-30 11:00
>姐姐
もちろんこうやって死んでいく豚も可哀想だけど、福島の震災で人間に見捨てられた牛なども本当に可哀想。食べ物も水もなく鳴きながら少しずつ死んでいくのです・・・こういうのがあまり報道されないのがなんだか歯がゆかったけど、その私が見たニュースに映る牛たちの目がなんだか今でも忘れられないのです。
豚も牛も・・・自分が殺されることを分かるっていいますよね。賢い子ほど可哀想。毎日豊かな食事にありつける自分・・・・感謝しなくちゃなぁ。本当に、今年は心からそう思います。
Commented by mangonaoko at 2011-12-30 11:04
>nichoさん
そうそう、沖縄でも豚の頭とか売られていますよね。
香港も頭から足から色々な部位が売られています、たしかにそれを最初に見たときは衝撃的でまっすぐ見れなかったですもの。それが丸1頭になるとさらに生生しいのです・・・・本当に生きているようで。
お仕事されることはそんな感情もってはいられないのだけど、こうやって私たちの食卓は支えられているのだとあらためて感じたのです。香港は足や内臓まで捨てずに使うから、そういう意味では無駄にはしないかもしれません。全部命ですものね・・・・私が先週笑っていたときにはこの子もまだ活きていたのですから。
by mangonaoko | 2011-12-29 00:09 | 香港だより | Comments(10)