人気ブログランキング |
ブログトップ

鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

井戸の形の香港団地~団地そのものがひとつの町

a0132659_6434555.jpg

長い長い暗いトンネルの先に・・・やっと見えた光のような・・・
深い深い海の底から見える、海面の光のような・・・・

この場所、香港のいったいどんな場所だと思われますか?


a0132659_6435199.jpg

答えは団地の中

真ん中が吹き抜けになっていて、360度取り囲むように廊下があるこの団地
まるで井戸のような形状からか、香港人の間ではこう呼ばれて親しまれていたそうです。

井字型公屋

公屋とは政府が提供するような、いわゆる団地のこと。
この形は1970年代後半から80年代に建てられたものなので、現在はもう数えるほどとなりました。

a0132659_6434816.jpg

その当時が舞台の香港の映画などでも登場する井字型公屋
主人の記憶にある幼少時代、もちろん団地で暮らしていたのですが
このような場所はかっこうの遊び場所であり、そして日常を過ごす場所だったと言います。

下から最上階まで見渡せるようなこの設計
構造上大声を出したら響き渡りそうな、友人を呼ぶなんて簡単そうですよね。
中秋節になると、子供達が今は禁止されている本物の蝋燭を持って家を出て
皆がこの廊下の手すりにぶらさげていたとか・・・・
どこの家でも同じようにするので、建物の中は蝋燭のタワーのように美しくなったといいます。
公園で繰り広げられるランタンよりも、なんだかもっと日常でもっと幻想的でしょうね。

a0132659_6435310.jpg

実際には、残念なことに飛び降り自殺が起きる建物もあったようで
子供たちの間では夜になると、一番下から女の人の泣き声が聞こえるから行っちゃいけないとか
本当か嘘か分からない、でも子供たちの間で信じられるそんな「話」が幾つもあったんですって。
たしかに・・子供の頃って本気で信じるそういう話たくさんありましたものね。
口裂き女とか・・・・今思えば怖がっていたこと自体が可愛らしい。

家族が一緒に賑やかに暮らすのが似合う、団地
香港も日本も「団地」という響き自体が、古臭い昔のものとなりつつあります。
でも以前日本の友人がこう話していたのが印象的でした。

“昔ってさ・・・・自分がまだ子供だったからだけど、団地そのものがひとつの町だったよね
学校も商店街もその中でさ、お菓子買ったり文房具買ったり・・・・・外になんて出ないんだよ
自分達のお気に入り場所とか、放課後のルートも決まってたりして。あそこが世界だった
今みたいにショッピングセンターとかないからね、でも楽しかったと思わない?”

私は団地に暮らしたのは3歳以下だったので記憶がないのだけど
でも団地に住んでいた叔母の家によく行っていたので、その雰囲気はよく分かります。
私より年上の彼も昔むかし団地で暮らしていたひとり・・・・・だからこそ出たこんな言葉。

団地そのものがひとつの町

そう感じるのは自分たちが子供だったからか
それとも・・・誰もがそこで事足りる生活をしていたからでしょうか。




鴛鴦茶餐廳へ応援ポチリ



香港情報担当しています(植物の話)

by mangonaoko | 2012-06-05 07:04 | 香港だより