今も活き続ける歴史建築~藍色の唐樓
2012年 08月 07日
返還されてから早10年以上、最近は再開発が各地で行われ
同時にイギリス領地時代の面影を残すものや、古い建物などが姿を消しつつある香港。
その中でも「歴史建築」として、香港政府がきちんと保存を決定しているものが幾つも存在します。
唐樓
香港やマカオを始め、香港華南地区で19世紀中頃から1960年代に建てられた建築
西洋と東洋の建築方式がミックスされた独特なその佇まいは、香港の象徴ともいえるものでした。
だいたいが3-4階建て、もちろんエレベーターなどありません。
高い柱がある1階部分は商店、そして当時の香港市民のほとんどがこの唐樓に住んでいたのです。
人口増加に伴い団地建設ラッシュとなり、同時にこの唐樓は姿を消していきました。
香港島の灣仔や西營盤、九龍の深水埗や九龍城に特にこの唐樓が多く存在したのは
以前の啓徳空港のために設けられた建物の高さ制限によるものだと言われているそうです。
その中の灣仔でひときわ目立つ、鮮やかなブルーの唐樓
香港一級歴史建築物として、きちんと保存されたその建物は「藍屋」と呼ばれ親しまれています。
72號から74A號の4棟から成るこの唐樓
19世紀後半ここは病院だったそうですが、1920年代に取り壊され今のこの建物が建設されました。
今では数少ないベランダのある唐樓、長い時間の中で数々の生活が繰り広げられてたそうです。
「鏡涵義學」と呼ばれる無料の教室
戦前の灣仔唯一の英語の学校「一中書院」
雑貨店の「廣和號」、「聯興酒莊」や「鮮魚商會」の会議所などなど・・・
わずか4棟、わずか4階のこの建物の中
入れ替わり立ち代わり様々な声が響いていたことでしょう。
その色から「藍屋」と呼ばれるこの建物
1990年代に政府が塗り替えを行う際、塗料の在庫は水務署が使う藍色しかなかったとか。
そのためこの建物は一面こんなブルーになったそうです。
当時違う色が在庫にあったら、今はまた他の名で親しまれていたのでしょうか。
なんだか縁というか、興味深い不思議な話ですよね。
ちなみに一番右手に位置する74號Aは、ついこの間まで個人所有のもの。
なのでこの部分だけは藍色でなく灰色で今も残っているんです。
今もかかっている郵便受けには「陳」という文字が消され「李」という名前が・・・
お隣は「呉」の後が残っているのが見えますでしょう?
建物の中には「香港故事館」というお店がオープン。
中では定期的に展示会が開催されていたり
文化的な教室が開かれていたり
またちょっと面白い、香港のこれまた文化を表現した記念品も販売されています。
そうそう、「白鐵信箱」と呼ばれるあの郵便受けも売ってたりするんですよ。
ちょっと懐かしい感じのするレトロな品々、国は違えど懐かしさって同じなのだから不思議なもの。
この藍屋や、同じく歴史建築物として残る別の建物もこんな方法を採っています。
「留屋留人」
その言葉のごとく、人が留まり住んでいるということ。
以前の唐樓にはないトイレや消防設備を増設し、今も人が住んでいるのです。
建物は人が住んでいるからこそ、活きつづけるもの・・・・
だからこそ、博物館の展示品のようでなく、今も何かが感じられるようなそんな空気があるのでしょうね。
藍屋
灣仔石水渠街72號-74號
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香港情報担当しています(香港猫カフェのお話)
同時にイギリス領地時代の面影を残すものや、古い建物などが姿を消しつつある香港。
その中でも「歴史建築」として、香港政府がきちんと保存を決定しているものが幾つも存在します。
唐樓
香港やマカオを始め、香港華南地区で19世紀中頃から1960年代に建てられた建築
西洋と東洋の建築方式がミックスされた独特なその佇まいは、香港の象徴ともいえるものでした。
だいたいが3-4階建て、もちろんエレベーターなどありません。
高い柱がある1階部分は商店、そして当時の香港市民のほとんどがこの唐樓に住んでいたのです。
人口増加に伴い団地建設ラッシュとなり、同時にこの唐樓は姿を消していきました。
香港島の灣仔や西營盤、九龍の深水埗や九龍城に特にこの唐樓が多く存在したのは
以前の啓徳空港のために設けられた建物の高さ制限によるものだと言われているそうです。
その中の灣仔でひときわ目立つ、鮮やかなブルーの唐樓
香港一級歴史建築物として、きちんと保存されたその建物は「藍屋」と呼ばれ親しまれています。
72號から74A號の4棟から成るこの唐樓
19世紀後半ここは病院だったそうですが、1920年代に取り壊され今のこの建物が建設されました。
今では数少ないベランダのある唐樓、長い時間の中で数々の生活が繰り広げられてたそうです。
「鏡涵義學」と呼ばれる無料の教室
戦前の灣仔唯一の英語の学校「一中書院」
雑貨店の「廣和號」、「聯興酒莊」や「鮮魚商會」の会議所などなど・・・
わずか4棟、わずか4階のこの建物の中
入れ替わり立ち代わり様々な声が響いていたことでしょう。
その色から「藍屋」と呼ばれるこの建物
1990年代に政府が塗り替えを行う際、塗料の在庫は水務署が使う藍色しかなかったとか。
そのためこの建物は一面こんなブルーになったそうです。
当時違う色が在庫にあったら、今はまた他の名で親しまれていたのでしょうか。
なんだか縁というか、興味深い不思議な話ですよね。
ちなみに一番右手に位置する74號Aは、ついこの間まで個人所有のもの。
なのでこの部分だけは藍色でなく灰色で今も残っているんです。
今もかかっている郵便受けには「陳」という文字が消され「李」という名前が・・・
お隣は「呉」の後が残っているのが見えますでしょう?
建物の中には「香港故事館」というお店がオープン。
中では定期的に展示会が開催されていたり
文化的な教室が開かれていたり
またちょっと面白い、香港のこれまた文化を表現した記念品も販売されています。
そうそう、「白鐵信箱」と呼ばれるあの郵便受けも売ってたりするんですよ。
ちょっと懐かしい感じのするレトロな品々、国は違えど懐かしさって同じなのだから不思議なもの。
この藍屋や、同じく歴史建築物として残る別の建物もこんな方法を採っています。
「留屋留人」
その言葉のごとく、人が留まり住んでいるということ。
以前の唐樓にはないトイレや消防設備を増設し、今も人が住んでいるのです。
建物は人が住んでいるからこそ、活きつづけるもの・・・・
だからこそ、博物館の展示品のようでなく、今も何かが感じられるようなそんな空気があるのでしょうね。
藍屋
灣仔石水渠街72號-74號
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by mangonaoko
| 2012-08-07 06:43
| 香港だより