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鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko

800年前の香港に想いを馳せて~粉嶺龍躍頭文物徑

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香港の魅力のひとつは、西洋と東洋の文化が同時に垣間見えること。
香港島ではイギリス植民地時代に建てられた建築物が比較的多く見られますが、
中国式は九龍側、また特に新界方面では歴史あるものがいくつも残されています。

今はMTRがありどこへ行くのも便利、そしてどこでも見られる高層ビルの数々。
ところが100年前の香港はごくごく一部しか近代化されていなかったんですよね。
新界方面は基本未開発、いくつかの部落が存在するだけのような、
イギリスとはまるで無関係のような手付かずのそんな場所だったのです。

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粉嶺

新界エリアでも深圳にほど近い北側に位置する街。
ここも古い古い香港を感じられる場所が今でも残っているんですよ。
MTRの駅から徒歩だと20分ほど、交通手段は唯一ミニバスのみ。
帰りは駅方面に行くので簡単ですが、行きは若干難しいかもしれません。
知らない土地、一体どこで降りればいいか分からないことが多いですから。

初訪問の我らも散歩がてらのんびり歩いてやってきました。

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崇謙堂

見る限り歴史がありそうですが、完成は1927年。
三級歴史建築物に指定されている教会です。
あいにく個人所有のものなので外観のみしか見られませんが、
香港で唯一客家語を使える教会だったそうですよ。

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歴史建築物に指定されていなくても、このエリアは古い建物がたくさん。
でも今でも人が住んでいるものが多かったり、個人所有のものだったり・・
ということで立ち入り禁止の看板も幾つか掲げられていました。
日常生活の邪魔にならないよう、静かに遠くから眺めましょうね。

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政府が土地を買ったのか、フェンスで囲まれた広大な土地。
その奥には当時相当のお金持ちだったと想像できる西洋建築物がありました。
昔こういう家に住めるのはちょっとやそっとのお金持ちじゃありませんからね。
一体どんな人が住んでいたんでしょうか。
壊すのがもったいないような素敵なデザインの建物です。

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これは門だけが残されている状態。
昔の建物、特に富裕層の家は石で出来たものが多いのです。
耐久性に優れていますが、その分コストも高い。
ということで一般庶民には遠い遠い存在だったのかもしれません。

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古いものが点在しているこのエリア、大半は今も人が住んでいる村。
麻笏圍村。
この名前が見えたということは、目的のものもほど近いという証拠です。

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意識していないと普通に通り過ぎちゃいそうな石の門。
なんと1740年ころに作られたものなんですよ。
現在この村の名前にもなっている麻笏圍、もともとは石で四方を囲んだ村だったのです。
今はこの石門だけが残ってて、中は普通の住宅街になっています。

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中に入り逆の角度から見た石門。
もちろん一般の方の住宅なので、こちらもここだけの見学となります。

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またまたフェンス越しのチラ見見学。
先ほどの西洋建築とは異なりますが、ここも驚くほど大きいお屋敷です。

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老圍

今でも残っているこれらの建築物、基本的には当時の富裕層が移り住んだもの。
この粉嶺一帯は鄧氏という家系が住んで切り開いていたのだとか。
こちらの老圍はその中でも一番早く建てられたものだそうです。

四方を石の壁で囲むのは、敵や部外者の侵入を防ぐため。
先ほどの麻笏圍と比べ、石壁がすべて残されているのが特徴です。

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その石壁の中は同じく一般住宅。

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写真は撮らなかったのですが、中には昔の井戸も残されていました。
基本この中で生活できるようなライフラインが整えられていたということですよね。

こちらも外観および入口付近のみの見学となります。

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イギリス時代の建物と違い、数百年前の建物も見られる新界。
今の香港からは想像できない、昔の空気が感じられる貴重な存在です。

これから涼しくなる香港、時にはこんな散策も楽しいですよ。
ただ普通の村なので、訪問は太陽のある明るい時間帯がお薦めです。


粉嶺龍躍頭文物徑
粉嶺駅から北西方面に徒歩20分ほど
あるいはミニバス54K利用






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(満席の日もあります、詳しくは上記リンクをご覧ください)

【香港~11月】10:30~12:30 (佐敦)
平日:3日(三)7日(一)8日(二 ) 21日(一)23日(三) 29日(二)   
週末:13日(日)19日(六)27日(日)

参加費:1回200HKD 2回390HKD 3回550HKD 4回700HKD
旅行中の方もご参加されていますよ!お待ちしております♪









by mangonaoko | 2016-10-21 11:25 | 香港だより