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鴛鴦茶餐廳 いんよんちゃ~ちゃんてぃん

香港ときどき台湾、日本。猫と共に三都物語。


by mangonaoko

ワゴンに乗るのは手作り點心と香港人情味~海連茶樓

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有人情味

中国語も日本語も同じように表現します、人情味があるという意味。
現代社会、特に都会の街に住んでいるとこれがない生活だっていたって普通、
もしかすると便利という2文字と引き換えにして、なくなるのが人情の文字かもしれません。

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ある日フト目にしたひとつの文章。
それは3人の兄弟が父親の後を継いで経営している、昔ながらの茶樓を記していました。
そういえば何年も前に、今は新しく建て替わった団地でも似たような話を耳にしたような。
地元の人で常に賑わう、昔ながらの小さな店。
どんな場所だろう、写真ではなく自分の目で見て感じてみたい、
そう思い週末の朝早めに起きて向かったのです、西の荃灣へ。

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朝4時から営業しているという早さ、さすがにその時間の訪問は無理。
聞いたところによると地元の年配客やタクシーの運転手さんで賑わうそうですよ。

少々中途半端な午前10時、それでも店内は人でいっぱい。
こういう店は相席が当然、席も自分で探すのが基本です。
チョコチョコ空いている席を遠目で眺めつつ、どこに座ろうか悩んでいると
“ここここ、ここ座れや”
と一番奥のテーブルで、おじさんが近くにある椅子を追加して用意してくれています。
じゃお言葉に甘えて、失礼しますね。唔該晒。

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1人で来ているおじさんと、目の前には3人連れの年配の女性。
何を飲むかと聞かれ好みのお茶を伝えると、まずは食器が先に運ばれてきました。
じゃ、ということで洗おうと近くの茶壺を手にした私ですが、それは実は前の女性のもの。
そうでしたそうでした、自分たちのお茶まで来ていないんだった。
すみませんすみません、ついうっかり間違えちゃいました、と謝ると

“いいわよいいわよ、普洱茶だけど飲んでいいわよ”

いえいえいえいえ、ありがとうございます。よいこに自分のお茶待ちますね。

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最近の酒樓にあるようなメニューの紙はありません。
簡単なワゴンで運ばれてくる點心から自分で取るのがここのスタイル。

まずは餃子と燒賣、年季の入った蒸篭に入ってゴロゴロしてます。
ここの點心は昔っぽいものが多いそうですが、嬉しいのは全てここでの手作りということ。
大手のレストランは通常工場で作られたものを蒸すだけ、大量だから無理もありません。
でもやっぱりお店の手作りって何か違う“味”が感じられますでしょ、
食べ物だけじゃなく使う物だって同じようなことが言えるかもしれません。
ちょっといびつだけど味がある、そういうことありますよね。

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お店のどこかで探せばあるのかもしれませんが、値段だって不明。
どのテーブルのお客もただ取った點心を黙々と食べているだけなのです。

じゃ会計時にどうやって判断するのか。
それは日本の回転寿司と同じ、蒸篭や食器の種類で計算するということなのです。
ということは中身が違えど同じお皿なら同じ料金ということですよね。
小さい小皿にちょこんと座る叉焼包、1個って1人のお客さんは嬉しいかも。

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私にとっては定番のうずらの燒賣

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カメラを出しているせいか、1人の店員さんが私が観光客だと判断。
そして勝手に普通話でどんどん話しかけてきます。
これは美味しいとか、ようこそ荃灣とか。

別に訂正とか説明する必要もないので、こちらも楽しく調子合わせ。

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何でもここでは人気とかいう乾燒伊麵。
2人の場合食べられる数が限られちゃうのでね、麺やご飯系は今回は断念。

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それでも全体的には小ぶりなので、いつもよりはたくさん食べられた気がしました。
ってもしかしたらここの雰囲気がそうさせていたのかもしれません。
なんとなくね、楽しくてもっともっと取りたくなっちゃうんですよ。

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“出来たわよ~~~!!”と、威勢よくワゴンで登場した蝦餃。
その勢いに乗って思わず“1個くださいっ!”と手を挙げてしまいました。
お、最初の蒸篭とは違う、ちょっと良い感じの蒸篭。
ということは値段が高いということでしょう、もうこの際なんでもいいや。

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さっきの蝦餃とこの馬拉糕はお腹がというより気分で追加した感あり。
こういう古いお店の馬拉糕、美味しいこと多いですから。

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私がカメラを常に膝に置いているので、隣のおじさんが話しかけてきました。
自分は建築会社で働いていて、この間の忘年会でカメラを当てたと。
でも自分は使いこなせないから娘にあげたんだよ、
娘もあちこち旅行行くのが好きだからね。
と私のカメラと同じようにテーブルの下に置いてあるお酒を時々器に注ぎながら。

おそらく常連さんでしょう。
“じゃ先帰るね”と、片手に白いお酒の瓶持ちながら帰っていきましたけどね。

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お腹もいっぱいだし、そろそろ帰ろうか、ということで埋單。
まさに回転ずしと同じように、お店の人が食器を見て計算中。
それなのに新しく来たおじさんが話しかけています、それじゃ計算間違えちゃうよ。

そして渡された伝票、146ドル。
滅多に来れないし、美味しいし楽しいしということでたくさん頼んだ點心。
蝦系もいくつか頼んでいるのでね、ここではちょっと高いほうかもしれません。
1人で来ているようなおじさんは包子とかご飯ものとか2-3個頼むのが普通、
なぜならそれが一番満腹になりやすくて値段も安いから。


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実は茶壺のお湯がなくなった時、一瞬迷ったんです。
蓋ずらしたほうがいいのか、それとも自分でお湯足しにいったほうがいいか。
だってお湯足す場所ここから見えるんだもん。
するとマイ酒持参のおじさんが一言、“自分で行くか、呼ぶかのどっちかがいいよ”と。

そうそう、郷にいれば郷に従え

これはサービスがないとか悪いとかいう問題じゃないんです。
もしそう感じる人がいたら、生活だけじゃなく気持ちも少し乾いてしまっているのかも。
でも人情味がない生活の中にいると丸いものも四角くなっちゃうよね、きっと。

お湯を入れた茶壺を持ってきたおばさんが “熱いから気を付けて” と言うのに対し、
ありがとうという感謝の気持ちが自然に起こる。
誰が誰とか関係ない、これって実は当たり前の普通のことですものね。

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団地の下にある朝4時から頑張る茶樓。
外では持ち帰りを注文するお客さんの姿も見られました。

“こういう場所の人はお喋りが好きだよね”

あまり行ったことないからちゃんとした比較はできないのだけれど、
私にとっては高級ホテルの飲茶よりこういう場所のほうが楽しいし美味しい。
綺麗な内装も、素晴らしい景色も洒落たものは何もないけれど、
飲茶ってものがここの文化なんだと感じられるアイテムは山ほどある。
それは飲茶だけじゃなくてきっと色々なことに通じると、そう思うのです。

海連茶樓
荃灣福來邨永嘉樓地下15-16號舖





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(満席の日もあります、詳しくは上記リンクをご覧ください)

【香港~3月】10:30~12:30 
平日(佐敦) 2日(四)7日(二)21日(二)23日(四)27日(一)
週末尖沙咀:5日(日)19日(日)25日(六)

参加費:1回200HKD 2回390HKD 3回550HKD 4回700HKD
旅行中の方もご参加されていますよ!お待ちしております♪

【東京~3月】
3月11日(土)、12日(日)
各日12:00~15:00 東京恵比寿






by mangonaoko | 2017-03-03 11:16 | 餐廳