ひんやりレンガが心地よい階数不明の冰庫~Fringe Vault
2018年 03月 19日
初めて訪れた異国の街はイギリス ロンドンでした。
芝居を勉強していた大学時代、学内の教授や有志の学生のグループで訪れた1月冬のロンドン。
1週間強の滞在だったと思うのですが、毎晩毎晩劇場へ足へ運び、
シェイクスプアの聖地や街角にある稽古着の店や書籍を扱う店など、全てが刺激だったのを覚えています。
学校以外で勉強していないけど、それなりに英語でチケットボックスでやりとりしていたり、
劇場の係員と簡単な雑談をしていたのだから、やはり若さって何よりも代えがたい。
その当時「ここに数か月いたら、英語って多少進歩するんだろうなぁ」って思ったのだけど、
今思えばあの時芝居の稽古に明け暮れるだけでなく、そっち方面も頑張っていれば人生違っていたんじゃないだろうか。
なんて「たられば」的に色々思うのだけど、何が起こるか分からないから面白いのが人生。
そんな大学時代の自分に色々な刺激と体験を与えてくれたロンドン。
それ以来訪れてはいないけど、時間が許すのであればもう1度自分の目で見てみたい街のひとつなのです。
食事が美味しくないとよく言われるロンドンで食べたものは全て美味しい記憶なのだけど、
それは偶然美味しいものに巡り合ったのか、楽しすぎて何でも美味しく感じたのかははてさて。
今のように簡単に携帯で写真を撮れる時代でもなかったので、あいにく基本的な想い出は朧気な記憶のみ。
詳細の店はすでに分からないけど、でも日本とは違う店内の雰囲気だけは覚えています。
そんな頭の奥に仕舞われていた記憶にフワッと灯りがあたった感覚がしました。
中環のフリンジクラブの中にある1軒の店、Fringe Vault。
ちょうど猫の展示会を見に行った日だったので、店内にはその一部の写真も掛けられていました。
最初はどんな場所だろうという好奇心だけでドアを叩いたのですが、この空間この空気感、なんだか魅せられます。
ランチタイムにまだひっかかっている時間帯なので、空いてるテーブルは数えるほど。
全くそのつもりはなかったのだけど、頻繁に来る土地でもないしここはちょっと座っていくことにしましょう。
なんだかロンドンの街中にあるカフェやパブのような空気感。
フリンジクラブの建物内なのでそれも頷けるのですが、このレンガがそんな雰囲気を醸しだすのでしょうか?
中環なだけに欧米人の方の率も高いけど、広東語だって十分耳にする環境。
それでも香港とはちょっと異なる感じがするのだから不思議なもの。
また猫の写真以外にも陶器の展示ものが。
ここはカフェとしてだけでなく、このように展示の場所としても活用できるのが特徴。
また日曜日がお休みなので、フリーマーケットなども開催されたりするんですよ。
食事以外にケーキやジュースなどの飲み物も。
手作りというケーキは20ドル以下という、思ったより可愛いお値段なのが意外。
昔むかしはここは冷凍倉庫だったというのですから、それもまた驚き。
今はこんな風に様変わりしていますが、このひんやり感は思い過ごしじゃなかったのかも。
でもその昔の面影をちょっと感じさせてくれるのが、展示会場から向かう時に使うこの階段。
このフリンジクラブ、2つの高低差のある道の真ん中に建っている関係から時々からくり箱のような感覚になります。
先日猫の展示会が開催されていた陳麗玲畫廊からカフェに行く場合は、このようにまるで地下室に行くよう。
ところが逆側の雲咸街から入ろうとすると、グランドフロアに位置する路面店になるのです。
ということでこんな風に外を歩く人や走るタクシーを眺めながらという立地。
ランチがまだだったのでパスタを注文しましたが、食事方面はやはりお洒落な中環価格と内容でした。
なので次回ロンドン雰囲気を楽しみたいときは確実にティーセットでね。
まだ予定のたたないイギリス旅行までは、ここで五感フルに楽しむのが最善なのです。
by mangonaoko
| 2018-03-19 12:39
| 香港cafe