100年の歴史を感じる中薬店カフェ~大和堂咖啡室
2018年 10月 22日
甦る
この場所に一番ふさわしい言葉、まさにこれかもしれません。
懐古風とかリノベーションとか、最近はお洒落なカフェやレストランが多いのだけど、
たとえそれが100%じゃなくてもやっぱり本物の歳月の味には敵わない。
「大和堂蔘茸藥行」
戦前の唐樓に1930年から営業を続けていた昔ながらの薬屋さん。
その100年近い歴史に幕を閉じたのは昨年のことでした。
九龍城という場所もあり、今までに幾度となく映画の撮影場所にも使用されていたとか。
時代の変化もあるのでこれらのお店が閉店するというのは、ある意味致し方ないかもしれません。
実際多くの人が今では便利なドラックストア利用しますものね。
でもその歴史ある薬屋がカフェになる
そんな話を耳にしたのはたしか今年の春の頃でしょうか。
当時はまだ以前の面影をそのまま残したまま、改装も始まっていない状態。
古い古い薬屋を改装するのですから、相当な時間と予算が必要なのは素人でも容易に想像がつくものです。
そして2018年10月、新しい姿でのお披露目となりました。
最初はこの店の後継者が継いでオープンしたと思ったのですが、実はまったく別の人の発想から始まったとか。
もともとここ九龍城で育った1人の男性、イギリス留学時代に外国人が歴史あるものを上手に保存するのに感銘を受け、
そして昨年偶然この店の前を通った時にフト想像したそうです。
この場所で珈琲飲みながら、古き良き街並みを眺める。どんな感じだろう。
そしてそれは想像だけでとどまらず、とうとうこの場所を借りる決意に至ったそうです。
入口を含め、店内にも以前使われていたものが数多く残されています。
なぜならこれらのものは中薬店の特徴でもあり、歴史と人々の想い出が刻まれた価値あるものだから。
以前使われていたシャッターはさすがに再利用できなかったので、こうやって内装の一部に様変わり。
ペンキとか塗らずそのままというのがいい、そうでないと歳月を感じることができませんから。
おそらく一番印象的なのはこの薬箱の棚でしょう。
実はもともとは白アリだらけで大変だったとか、なんとかうまく再生することに成功したそうです。
100年前の木製ではたしかにそれも納得できます。
店内の一部には以前の九龍城を紹介する本がいくつか。
私が訪れた時はまだソフトオープンということで一部メニューだけの展開でした。
食事メニューもなかなか独創的の様子。
中でも雞蛋仔與雞という、香港代表的スナックの雞蛋仔と鶏のからあげという組み合わせが一番興味をそそられます。
せっかくなのでカフェオレ飲みながら見たことのない時代に想いを馳せて。
私の主人もこの九龍城には来たことも見たこともないそうです。
たしかに子供が来るにはちょっと危険な場所に感じられていたんでしょうね。
大人になった今ではそれもちょっと残念、なんて言っていました。
楊枝入れもお洒落です。
お店の外には簡単ですが以前のお店の紹介が書かれています。
昔の写真と比べてみるのも面白いですよ。
何よりも大切に再生されたのが感じられるこの空間。
やっぱり本物って素晴らしいです。
古いものが無くなることを嘆くだけのことが多いけど、実は残していけない理由もある。
そして実はなくなる知らせを聞いて初めて注目して嘆くだけ、という人も少なくない。
でもこんな風に甦るなら、それもひとつの新しい方法かもしれません。
だって時の流れというのは誰にも止めることができないから。
だったらその流れに乗ってその中で一番いい方法を見出す、のが賢いですよね。
大和堂咖啡室
九龍城衙前塱道24號
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【香港~10月】10:15~12:15
平日-佐敦 :2日(二)16日(二)30日(二)
週末-尖沙咀:13日(六)20日(六)27日(六)
【香港~11月】10:15~12:15
平日-佐敦 :6日(二)13日(二)27日(二)
週末-尖沙咀:3日(六)10日(六)17日(六)
参加費:1回200HKD 2回390HKD 3回550HKD 4回700HKD
旅行中の方もご参加されていますよ!お待ちしております♪
(お申込みお問合せは watercolor.yuanyang@gmail までどうぞ)
【東京~11月】おかげさまで両日満席となりました♡
2018年11月23日(祝)、24日(土):12-15時
参加費4800円
東京恵比寿
by mangonaoko
| 2018-10-22 09:16
| 香港cafe