古きよき香港~牛頭角下邨
2009年 08月 18日
九龍湾で買い物をして、その後旺角などに出かける時はたいていバスに乗ります。
バスを待つときに見えるこの景色、牛頭角下邨・・・・・すでに取り壊し決定の場所です。
古きよき香港がまたひとつ消えていきます。
牛頭角下邨は1967年に政府が建てた団地で、戸数は5400戸。8.2~39.4平方メートルの小さな部屋ばかりで、所得の低い方たちが住んでいました。
お金持ちや駐在の日本人を除けば、今も香港の部屋は日本よりずっと狭いです。
日本で2-3人で住むような部屋に、4-5人住むのは普通の香港。主人の友人が言うには、「部屋が狭くて自分の場所がない。だから香港人は夜遅くまで外にいるんだ」と。
不夜城といわれる香港は、実はこんな事情も抱えているわけですね。
もちろん遊ぶために遅くまで外にいるのもあるのでしょうが、その裏には観光客には分からない理由もあるわけです。
主人がよく言います。
「香港政府はバカだ。良いものもどんどん壊してしまう。」
牛頭角下邨のほか、私達がよく行く觀塘も開発のために今後姿を消します。
尖沙咀の時計台も、実はなくなるかもしれないって計画あったのご存知ですか?
あれは昔の駅の名残です。私も写真しか見たことありませんが、時計台はその大切な一部なのです。
なので、多くの香港人がその計画に反対し、取り壊しは白紙になったわけです。
今は立ち退きで人もまばらな牛頭角下邨・・・下には小さな店やレストランが並んでいます。
日本の昔の団地もこうやって店が並んでいますよね?
肩を寄せ合うように並ぶ小さな店・・・・・
衛生面が少々心配なので今までも食事をしたことはありませんが、以前ここを通るときはいつも良い香りがしていました。
人情溢れる昔ながらの光景・・・牛頭角下邨。
今後は新しい団地が建設され、ここに住む人にも提供されるとか。
住民の方々の心の内は知りえませんが、この景色がなくなることに寂しさを感じます。
觀塘の駅前に広がる小さな路地や商店も、今後3-4年の間に取り壊され高いビルが立ち並びます。
綺麗な公園も作られ、道路も整備されるでしょう。
開発のため、また衛生面のために取り壊しも時にはやむを得ないとは思います。
でも、営業免許更新停止のために今後姿を消す露天の商店や、この古い団地など、古きよき香港を知ることのできる「香港の財産」と私は思うのですが。
広東語で字幕もないので分からないと思いますが、牛頭角下邨の取材番組です。
行かれたことのない方も、これから香港に観光で訪れる方も、チラッでいいので昔の香港覗いてみてください。
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by mangonaoko
| 2009-08-18 08:04
| 香港だより